ソニーは、19日発売した携帯デジタル音楽プレーヤー「ウォークマンAシリーズ」で、米アップルコンピュータの「iPod」シリーズの独走に待ったをかけ、ソニーブランド復活を狙う。開発責任者の辻野晃一郎氏は「積極的な広告・宣伝などあらゆる手を打つ」と意気込む。

アップルは9月以降、新製品の投入で先行して市場を席巻した。このあおりでソニーの国内販売台数シェアは1割未満に転落し、新ウォークマンも当初の店頭推定価格を引き下げる事実上の値下げで発売せざるを得なくなった。
辻野氏は「常に驚きを演出するアップルの戦略は素晴らしい。ただ、我々は4月に出した旧シリーズの在庫をなくし、新製品の投入に備えてきた」と挽回(ばんかい)への自信を見せた。今後は、ソニーがもつパソコン、テレビ、ゲーム機、車載機器などの幅広い製品を結ぶネットワークを重視した戦略を展開するという。
業績不振のソニーにとって、新ウォークマンは液晶テレビ「ブラビア」と同様、ブランド復活のカギを握る戦略製品。超小型を前面に出す「iPodナノ」に対し、流線形のデザインで消費者に訴える。