ブレア英首相は14日、イラクに駐留する英軍について「来年撤退の可能性を語るのは妥当なことだ」と述べ、06年中にイラク側の条件が整えば撤退が実現できるの考えを示した。アブドルマハディ・イラク副大統領との会談後の記者会見で語った。
ブレア首相は撤退時期について「あくまで任務完了が条件だ」と述べた上で、イラク軍の訓練が順調に進んでいることを指摘。「状況は1年前とはまったく違う。このまま進めば、多国籍軍の必要性は小さくなっていくだろう」と説明した。首相はさらに、「イラク国民自身による治安維持が可能になれば撤退するというのが、当初からの計画だ」と強調した。
会見では、アブドルマハディ副大統領も「来年、部分的な撤退が実現するのは確かだろう」との見方を示した。
また、リード英国防相は英BBCラジオとのインタビューで、「06年末までに撤退が完了すると言っているわけではないが、このまま順調に進めば、英軍担当地域も含め、一部地域で治安維持の役割をイラク軍に移譲することができるだろう」と語った。
英軍からは、イラク南部を中心に8000人の兵力が駐留している。イラク移行政府のタラバニ大統領も13日、「イラク軍は1年以内に英軍と交代できる状態になる」との見通しを示していた。