サンティアゴ(AP) ペルー外務省は10日、同国のマキャベロ駐日大使の召還を示唆する声明を出した。
滞在先の日本からチリに移動して逮捕されたフジモリ元大統領の身柄をめぐり、日本政府が引き渡しに応じなかったことに抗議を示す措置とみられる。
声明は「マキャベロ大使の任務を終了させる」と述べている。外務省当局者がAP通信に匿名で語ったところによると、これは元大統領の扱いをめぐる「日本政府への強い抗議」を示す措置だという。一方リマの日本大使館は、正式な召還の通知は受けていないとしている。
マウルトゥア外相が議会で読み上げた声明によると、同外相は9日に石田仁宏ペルー大使に会い、元大統領の身柄引き渡し要求に対する日本政府の対応の遅れにあらためて不満を表明していた。外相はまた、声明の中で「日本はペルー、チリ両国間の身柄引き渡し交渉に介入する立場にない」と強調した。
フジモリ元大統領は2000年から日本に滞在していた。01年にペルー司法当局に殺人罪などで起訴され、ペルー政府が身柄引き渡しを繰り返し要求。日本政府はフジモリ氏が日本国籍を保持していることを理由に、引き渡しを拒否していた。元大統領は6日、「大統領選への準備」として突然サンティアゴ入りし、チリ当局に逮捕された。