フォアグラは脂肪肝を発症したガチョウまたはカモの肝臓。世界三大珍味の1つに数えられる食品である。

古代エジプト人が、干しイチジクをガチョウに与えて飼育し、その肝臓を食したのが始まりと言われる。古代ローマの文献にも見られ、強制飼育が行われていた。 ルネッサンス期にはフォアグラ生産業が定着して食材として認知されるようになった。
今日では、ガヴァージュと呼ばれる飼育法により、トウモロコシなどの飼料を大量に無理矢理食べさせて脂肪肝を発症させることで製造する。そのため、一部の動物愛護団体は動物虐待であるとして反発している。
2004年9月29日、カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガーは2012年までにカリフォルニア州内で鳥に強制的に食事を与えて作られたフォアグラの生産と販売を禁止する法律を施行した。同法では、動物虐待ではない方法で生産されたフォアグラの販売は認められる。
2005年10月、フランスの国民議会が農業政策に関する包括法の一部としてフォアグラは仏文化の遺産であるとした法案を全会一致で可決し、フランスが世界でフォアグラの80%以上を生産していることを指摘し、保護すべき仏文化、料理の貴重な遺産であると宣言。カモやガチョウの強制肥育についても、他に方法はなく止むを得ないとして擁護する姿勢を鮮明にした。
ソテーして食べるのが一般的。フォアグラをステーキの上に乗せた料理は、ロッシーニ風と呼ばれる。