サンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)はスペイン北西部ガリシア自治州の首都。聖ヤコブの遺骸が祭られているため、古くからローマ、エルサレムと並んでにカトリックで最も人気のある聖地であり巡礼者が絶えない。巡礼の街道では巡礼者は、その証明に帆立貝の殻を荷物にぶら下げる。途中、教会などが宿泊を提供してくれる。最後のコースは、地面に古切れなどを敷きながら膝だけで歩いていく熱心な信者も多い。
ここへの巡礼をテーマにしつつ神の存在を歴史の時間軸を行き来しながら描いたフランス映画で、「銀河」(フランス・イタリア合作で、ロラン・テルジェフ監督、1968年)というものがある。「銀河」は、このサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の道のことである。
巡礼路
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路は、フランスからスペインへと向かう、トゥールの道、リモージュの道、ル・ピュイの道、トゥールーズの道の主に4つの道からなる。キリスト教三大巡礼路の1つにも数えられている。
1993年、世界遺産として登録された。紀伊山地の霊場と参詣道と並び、世界でも珍しい道の世界遺産としても知られている。
歴史
元々、サンティアゴ・デ・コンポステーラに、聖ヤコブの遺骸が埋まっているという伝説がある。このため、9世紀ごろからこの地への巡礼があったと記録されている。11世紀にはローマ・カトリック教会が、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼を奨励。11世紀から12世紀にかけては、多い時で1日1,000人を越える巡礼者がいたと言われている。また、この巡礼は、当時イベリア半島を支配していたイスラム教王朝からの国土回復(レコンキスタ)にも大きな影響を与えたといわれている。
現在でも、この巡礼路を通って、サンティアゴ・デ・コンポステーラへと向かう人たちが多数存在する。徒歩、自転車、車などさまざまである。
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